チャの葉を摘み取る時期や方法によってお茶の品質が大きく変わってきます。前年と春先の気象条件によって、お茶の生育状況が毎年違ってきます。茶葉の摘み取りのタイミングが重要になってきます。チャの葉を摘み取ることを「摘採」と言います。「摘採」には時間と慎重さを求められます。
【手摘み】←左写真参照 大正時代の初期まで手摘みが主流でしたが今では効率の良い機械摘みが主流になっています。ただし今でも一番茶の初期に高品質のお茶を作るために手摘みをしています。手間がかかるのと数量も摘めませんが新芽だけ目視で選別して摘むので出来た製品は品質が高く、それに伴い茶価も高くなります。新茶の時期の風物詩ですね。
【手鋏】 手に持った鋏で摘採する方法です。手摘みの10倍も摘めます。しかし手鋏による摘採は熟練がいります。今でも急傾斜地や小規模の茶園で使用しているところも有ります。手ばさみだとよく頑張っても一日に100kg程度の刈り取り量だった。
【一人用動力小型摘採機】 昭和30年代から使用されるようになった一人用の摘採機です。手鋏より1.8倍ほど効率が上がりますが、効率面とその重量の為、二人用摘採機にその座を譲り、今では普及していません。
【二人用可搬型摘採機】右写真参照→ 昭和40年代に実用化して現在最も普及しています。茶畝を挟んで2人で機械を持ちながら摘採していきます。「バリカン式」とも「可搬型」とも言われます。二人の呼吸をぴったり合わせることが肝心です。効率は手鋏の数倍にあがります。摘採機には、エンジンと送風機が付いていて、刈り取られた茶芽は、風で袋の中に入るようになっています。この摘採機は、最初に実用化された1960年代に比べると、ずいぶん改良され軽量化しているようですが、機械の動力は2サイクル排気量30〜40ccエンジンで機械本体の重さが10kg〜、茶葉も10kg以上になるので、なかなか見た目より厳しい労働です。
【乗用型摘採機】←左写真参照 乗用式の大型の摘採機です。高価ですが労働の負担が軽く、効率がよいので平坦な場所の大規模茶園で導入されています。小型で車に積載できる物から大型の物までいろいろあります。 乗用型摘採機は10アールを60分、約1時間で500kg〜800kg刈り取れます。
【レール走行式摘採機】 畝間にレールを設置し、自走式の台車に摘採刃を付けて摘採します。 高さの設定が正確に出来るので、手摘みに近い品質の摘採が出来ます。